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我が家の長男は小学3年生。2学期も始まってそろそろ中学受験する・しない問題がチラつく時期です。
一般的には中学受験を目指す場合、小4から本格的に受験カリキュラムを組む塾がほとんどのため、小3の冬(2月頃)には入塾しているのが望ましい、とされているようです。(入塾テスト、各手続き、教材準備などの期間を考慮して)
我が家では、「本人が希望するなら応援・援助する」を家庭方針としています。
とはいえ本人からの希望があってすぐに受験対策を組むことでは容易ではないはずなので、事前に情報収集しておくだけでも…と影で母は動き始めておこうかと思っている今日この頃です。
何からしようか。
私の場合、塾や志望校のリストアップより「まずは親の心構えから」と思い、極端かもしれませんが今回の図書「中受離婚」を読んで、起こり得る最悪のケースから予習することを初動にしてしまいました…笑
ここでは、本書要約に加え、本書内エピソードから連想できた我が家での考え方の記録、中学受験の知識を予習できそうなドラマの紹介をしていきたいと思います。
近い将来、子が中学受験をするかもしれない自分自身を含め、どなたかの参考になれば嬉しいです。
要約|印象に残ったフレーズ3選
この本は、中学受験をめぐった家族の葛藤や、夫婦関係の変化について掘り下げたセミ・フィクションです。
中学受験を考える家族にとって重要な気づきを与え、夫婦関係や家族のあり方について再考する機会を与えてくれました。
全部で三章構成になっており、夫、 妻、子それぞれが、それぞれの目線で共通項の「受験」を綴っています。
第一章「夫」
夫は外で働き、妻は専業主婦。夫は受験勉強のサポートを完全に仕事化して徹底管理をするが、一方で妻はあまり関わらないわりには結果が伸びない我が子を責める状態。子は結果的に第一志望校への合格を果たした一方で、夫婦関係は破綻し別居状態に。「受験合格or夫婦円満どちらを取るか?」の二択を迫ること自体、大前提としてないこと。もしこの二択が頭によぎったとしたら、受験の悪魔に取り憑かれているのかも…と一旦落ち着いて向き合った方が良いかもしれない。
中学受験は、子どもの学力だけでなく、夫婦力そのものも試される機会だったのだ。
引用:中受離婚|おおたとしまさ
第二章「妻」
中学受験以前も夫には育児や子との関わり方に違和感を感じていた妻。経済的な問題もあり、吹奏楽をもっと極めたいと願う娘は第一志望の受験に合格した時のみ私学へ行くという約束の元、勉強に励む。結果、第一志望は不合格だったものの記念受験で受けた学校に特待で合格。授業料免除となるため経済的には負担が少ないはず、と入学を懇願して晴れてその願いは叶った。
一方で入学手続きを終えこれからという時に、夫から距離を置きたい・仕事を辞めて独立したいと提案される。妻と夫は「根本的に考え方が違う」ことが明確になった今、離婚届は準備万端の状態のまま、何だかんだ一緒に生活を共にしている。(子は入学後に性格が明るくなり吹奏楽にも熱中し、人生が開けたそう)
中学受験は、家族関係が試されるイベントなんだと思う。考え方の違いがごまかせない。
引用:中受離婚|おおたとしまさ
第三章「子」
私学進学とは無縁の両親の元のびのび育った夫と、代々私学進学が当然の教育一家に生まれ、シングルマザーの元立派に育った妻。
他愛ない家族の時間の中でひょんなことから中学受験の勉強を始めた頃、妻の絶対的存在の祖母が他界したことにより状況は一変します。妻はヒステリックになり怒りに支配され、夫と子を罵倒する日々が続きます。
夫と妻は離婚を決意し、妻子は東京へ引っ越して子は受験勉強を続けますが、転校先の学校でいじめにあってしまいます。しかし子は強く、絶対違う中学に行ってやると大きなモチベーションに変えます。
自由に面会が可能だった夫は、妻の罵倒への対処法を伝えるなど子の精神的支えになり、子も夫との心理的繋がりが支えになっていました。
受験の結果は見事合格。その後夫の再婚をきっかけに、子はいろいろな価値観や人生について考えるようになります。
中学受験は、夫婦がお互いにうすうす気づいていながら見ようとしなかった部分を、子どもという存在を通して浮かび上がらせてごまかせなくするイベントなのだと思う。
引用:中受離婚|おおたとしまさ
家族って何なんだろう?親子って何なんだろう?いろんな形があっていいんだなとわかった。
引用:中受離婚|おおたとしまさ
男女の立場の違いは確かにあるだろう。でもそれだけではない気がする。人生は時に痛みを伴いながら常に予測不能な形で展開していくものだとする人生観と、自分のなかにある理想の人生に現実を当てはめていこうとする人生観の違いかもしれない。
引用:中受離婚|おおたとしまさ
我が家での考え方の記録(本の内容から連想できたもの)
本書を読んでいく間、我が家の教育方針にも関連している箇所があったので以下に感じたことを記録します。
子に求めることは親もやる
第一章「夫」では、夫は受験サポートに積極的に参加しサポート=仕事(タスク)と捉えtodoリストや子の成績推移やその原因と対策をもExcelにまとめて管理する、という徹底ぶりです。
その中で、夫自身も「夜中に過去問をコンビニでコピーする」ことをtodoリストに挙げて欠かさず実施します。子もその姿を見て「自分だけの問題ではない」と無意識に認識できたことも勉強のモチベーションになったようです。
この一節を読んだ際、我が家に起こった変化もこうゆうことか、と納得したことがあります。
それは何か:「子に何かを求める際に、親自身もそれをしている・一緒にやると上手くいく」です。
我が家の子供たちは、数ヶ月前からKUMONを始めました。
夫はKUMON経験者(中学受験 未経験者)、私はKUMON未経験者(中学受験 経験者)です。
目的は「自主的に学習習慣をつけてほしい」、でした。
毎回、教室で持ち帰ってくるプリントを次回までにこなし、次回教室ではその採点→間違えた箇所の直し→新しいプリントを持ち帰る…の繰り返しです。
「1日1束(両面5枚)ができれば大丈夫!」がスムーズにいくのは低いレベルからの基礎固め段階。順調に進んでいくと等身大レベル+αの段階になり、「う〜ん…」と行き詰まってくることもしばしば。
すると、「KUMONやれた?」→「…もうわかんないから嫌〜」となってしまいがちです。
その状況の打開策として、夫婦で話し合った結果
「勉強時間30分→エンタメ時間1時間(各々がしたいこと)」→勉強時間30分」のサイクルを作り、勉強時間は大人も混じって読書なり仕事なりをリビングで一緒にすることにしました。
初めは「え?お父さんも?お母さんも?」とポカーン顔でしたが、「大人になっても勉強習慣は大事だからね〜笑」と一緒に取り組むことで、すんなり環境づくりがうまくいきました(2024年9月現在)。
この環境の何が彼らの学習意欲を高めているのかはヒアリングが必要かもしれませんが、私も理解したのは「一方的に押し付けられるものになんてモチベーションは上がらないのは大人(私)も一緒」ということ。
次項目にも紐づきますが、当初の目的は「自主的に勉強習慣をつけること」なので、その環境づくりだけ手助けしてあげたら、あとのマイクロマネジメントは一切せず対等でいることも忘れないようにしよう〜と思いました。
※マイクロマネジメント:ビジネス用語で、部下の細部にまで過度に介入し、細かく指示や監視を行う管理手法のことを指す。長期的に続くと長期的には部下のモチベーションを低下させたり信頼関係が損なわれてしまうリスクも。
目的を見失わない
第二章「妻」では、子の「あの学校でもっと高いレベルで吹奏楽をしたい」という希望が受験のきっかけになっています。やりたいことのために中学受験という手段を選んだ、ということ。
熱中できるものに小5の時点で出会えたこと自体、とても誇らしいと思いますが、さらに上を目指して困難を乗り越えたことは本当に立派なことだと素直に思いました。
受験勉強が本格化する小6になると、習い事を辞めてしまうことがほとんどらしいのですがこの章では見事に両立を果たしています。なぜなら、情熱を注げていることをやめてしまうと勉強の意欲が下がってしまうからです。子にとっては、「これまで頑張ってきたもの」を勝手にやめさせられることは精神的にダメージが大きいのだそう。確かに、自分も子の立場になれば「後は勉強だけ頑張るのよ!」と言われても「え…何のために…」となってしまいそうです。
大人も同じ。
例えば何かの資格を取ろうと一念発起したとして、「合格した先に実現したいこと」「その先でしたいこと」がない状態で勉強に励んでいたら、「あれ、なんでこれ勉強してるんだっけ」となりますよね。
人生を削ってかける時間と労力を無駄にしないためにも、常に目的を意識して、それをノートや紙に書いておくなどして見失わないようにすること、大事だなぁ〜と改めて実感しました。
「子供は自分で考えて行動している」「子供の意見を尊重する」「自分たち(親)の考えを押し付けない」ことは我が家でも夫婦間で大事にしていて、子供たちへの関わり方で常に意識していることです。
親子関係を築くうえの大前提として大事にしていることが本書でも以下のように書かれていたので、改めてこの家訓を守っていこう、と思いました。
子どもの人生は子どものものだと、親がまず認識する必要がある。
引用:中受離婚|おおたとしまさ
夫婦円満はとにかく会話
夫婦だってかつては他人であり、価値観の相違があって当然ですよね。
夫婦円満を目指すのであれば「会話」が日常に多くあればとりあえずO Kと結婚10年目にして思います。
数年前私が育児と仕事の両立に疲弊し心身ともにボロボロだった時期には、夫との会話は限りなく少なかったと記憶しています。
その時期は常に頭に「離婚」の文字がチラつき、さらには勝手に夫を「子供に関心ない人認定」をして「私はシングルマザー…私はシングルマザー…」と自己暗示をかけることで「何も期待しない、期待すると裏切られた時が辛いから」とかなり危ない状況でした;笑(おそらく夫は私がこんな風に思っていたことは知らないはず)
今振り返ると、ただの私の勝手な思い込みや人の見下し癖、被害妄想が暴走していただけだったな〜と心から反省しています;
なぜなら、夫とお互いの気持ちや考えについて共有しあう会話の機会が全くなかったし、機会を作ろうともしなかったからです。
子供を守る母性本能だけで生きていたので、自分に向き合う余裕すらなかったんですね。
子供たちが小学校に入学以降は、自分に向き合える時間を作れたり、夫が自分には絶対的信頼をおける人であることを再認識できたりと、やっと、やっとです。今更ながら、お互いのことを共有できる「夫婦の会話」が成り立っているように思います。
また「どうにか余裕をつくる努力」はパワーを注ぐ価値が大きい、とも実感しています。
今後受験に参戦するとなった場合、第一に考えるのは子供の心身の健康と本書でも書かれていました。
中学受験が原因で夫婦間のコミュニケーションが希薄になるケースが多いこともよくある話とのこと。
お互いの考えや感情を共有せずまま受験に集中しすぎて夫婦関係が悪化する、なんてことが起こらないように会話時間を大切にしていこうと改めて思いました。
受験への心構えを予習できそうなドラマ3選
ここからは、大きく「受験」がテーマの漫画・ドラマの中で、勝手ながら私の独断と偏見による「今後の受験に対する心構え」として参考にしていきたい作品を3つご紹介します。
ドラゴン桜2(ドラマ放送 2021年)
ドラゴン桜2:過去2005年に放送された前作ドラマの原作「ドラゴン桜」の15年後が描かれている続編。
前作で話題になった東京大学合格のための勉強法「桜木メソッド」に加え、時代の変化に伴って社会で必要とされる学力と心構えも変化。新しい受験戦争の様子が、新しいキャストと共に描かれています。
2021年の日曜劇場で放送されたドラマ再配信を動画アプリで観た時に衝撃を受けました。
自分が中高生の時にこの考え方知っていた…と悲しくなりましたが、何歳からでも遅いことはないということで子供たちにもバイブルにしてほしいので「ドラゴン桜」漫画一式を大人買いしたいと思います。笑
ドラマを観ている最中思わずメモしてしまった、今から我が家でも意識してできること↓↓(今の所全部クリア!)
東大合格必勝法 家庭の10か条
一緒に朝ごはんを食べること
何か1つでも家事をさせること
適度に運動させること
毎日同じ時間に風呂に入らせること
体調の悪いときは無理をさせず、休ませること
リビングはいつでも片付けておくこと
勉強に口出ししないこと
夫婦仲良くすること
月に一度家族で外食すること
この10か条を父親と共有すること
引用:ドラゴン桜2|TBS日曜劇場(2021)
こちらも参考&勉強になります:漫画『ドラゴン桜』の名言ランキング! 印象に残っている言葉1位は?
二月の勝者ー絶対合格の教室ー
原作コミック(小学館)/高瀬志帆
中学受験の最強塾と名高い「フェニックス」の看板講師の座を捨て、中堅塾「桜花ゼミナール」吉祥寺校の校長に就任した黒木が、新人講師の佐倉たちとともに6年生32人全員の「絶対合格」を目指す1年間を描いた物語。
2021年に『二月の勝者ー絶対合格の教室ー』(日本テレビ系)でドラマ化された際には、親たちが子供に積極的に観せていたのか、クラスでも子供同士で話題になっていたこともあるそう。
中学受験をわずかでも検討している家庭にはバイブル作品のようなので、本作に関しても漫画一式を大人買いして夫と予習してみようかと思います。
こちらも参考&勉強になります:受験生以外にも響く!中学受験を舞台としたドラマ『二月の勝者』12の名言
スカイキャッスル
2024年7月〜放映真っ只中の「スカイキャッスル」。
2018年に韓国ドラマ「SKYキャッスル~上流階級の妻たち~」のリメーク版です。韓国の受験事情と経済格差の実情のリアルを日本舞台に置き換えて、子供たちの超難関高校を目指した受験を発端に、高級住宅街に住むセレブな妻たちが互いにマウントバトルを繰り広げていく姿が壮絶に描かれています。
正直私にとっては非現実的すぎて・異次元すぎて我が家に取り入れられることは少ないとは思いつつ、前述の内容に対して反面教師にできる部分はあると思っています。
何のための受験なのか、子自身の希望が受験なのか、親の見栄のための受験の意味は…?
とはいえ、そんな現実に絡めながら観るとドラマは楽しく無くなってしまうので、このドラマに関しては純粋なエンタメとして最終話まで引き続き楽しみにしたいと思います!
(知らないだけで、日本(特に都心?)にも現実にこんな世界があったりするんだろうか…?;;)
※2024年10月3日追記※
スカイキャッスルの最終話が9月26日に放映されました。
——-ここからはネタバレになってしまうので、まだ見終えてない方はご注意ください!——-
最後はどんな展開になってしまうのか気になっていましたが、結果、どの家庭も「志望校、志望学科に固執することは辞め、子供の意思・自主性を尊重する」方針になったようで、ホッとしました〜うんうん、それがいい。本当に。
個人的には、二階堂家の立場逆転劇がとてもスカッとしました!京子さん、素敵です。
と同時に、狭い環境での固執した価値観や「こうでないといけない」呪縛は、人間をこうも狂わしてしまうんだなぁ、、と怖くなりました;;
自身も子供たちにも、広い世界や多様な価値観を持つ人たちとの関わりを持つことは大事だなぁ、と改めて実感しました><
最後に
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
少し脱線してしまいましたが…
今回の図書で著者は、「受験の成功」とは単に志望校に合格することではなく、家族全体が幸せであることだと説いています。
受験を通じて家族が成長し絆を深めることが本来の成功であり、そのためには夫婦間の協力と理解が欠かせないことも強調しています。
私の場合は近い将来あるかもしれないし、ないかもしれない中学受験。親として、子の大ファン1号として、この心構えを持った上で、陰ながら準備を進めていきたいと思います。